●製作年:1764年●素地:ソフトペースト（軟質磁器）●サイズカップW:7cmH:6cmソーサーW:13.5cmH:3cm装飾:Cup : 1764年にクレジットはされているが、名称が明らかにされていないペインターSaucer : Atoie-Louis FONTERLLIAU（1753年〜1782年まで絵付師として在職）セーブルで最もポピュラー、シンプルなフォームとして挙げられると思いますが、意外に見ません。リトロンの方がメジャーでしょうか。円錐型に持ち手が付いたカップで今では猫も杓子もどこのブランドも発表している形ですが、これも開祖はセーブルですね。とは言え、それより少し前に紅茶やコーヒーを楽しむ為、東洋から渡って来ていた茶碗をコピーし、それに持ち手を付けたのは他でもないマイセンです。今回のフォームは愛らしく丸みを帯びた形で、軟質の素材と相まって温かみがあります。前身のヴァンセンヌ時代に生まれた形で初期の初期からあるフォームです。ブイヤールという名前がついており、名前はヴァンセンヌの株主に由来しています。1750年頃にはすでに頭角を現しており当初はシノワズリや港湾風景が描かれていました。その後セーブルになり、マイセンの花絵をコピーしながらも、フランス様式の花としてマイセンを超えるべくスタイルを確立させていきます。個人的にはこの年代で既にこんなクオリティの高い技術を構築していたことにはとにかく驚きしかありません。当時使用されたとされる小傷やカップに僅かな金際の擦れは見受けられますが、大きなダメージは無く、良いコンディションと思います。製作された時代に思いを馳せながらティータイムを行ってみては如何でしょうか…これ以上ない至福の時ですね。。